熊本母と子の相談室様からのお手紙
鮫島浩二先生
鮫島かをる事務長様
八木橋様
ジャム姫様
パワマミ様
木村様
院長先生店舗様
貴院職員様
その他多くの善意の皆さま方へ
拝啓 梅雨の季節をむかえましたが、皆様にはお健やかにお暮らしのことと拝察お喜び申し上げます。
この度の熊本地震に際しまして、ご多用中にもかかわりませず早速に、電話やメールをいただきましてありがとうございました。随分心強い思いをいたしました。そればかりか沢山の支援物資も頂戴いたしまして誠にありがとうございました。
また 多額の義援金も賜りまして心から感謝申し上げます。
支援物資は、当相談室を訪れた方々を中心に、そのお母さまの知り合いなど150名を超すお母さま方にお届けすることができました。
義援金は、熊本県や熊本市の委託を受けて里親啓発活動や里親・里子支援を行っている特定非営利活動法人優里の会と、今後も母子支援の中心となる日本助産師会熊本支部にお届けさせていただきました。双方の代表者も感謝申しております。ありがとうございました。
受領(領収書)を同封させていただきます。
地震後の取り込み中のこととて失礼を申し上げた点も多々あったことと存じますが、何卒悪しからずご寛容のほどお願い申し上げます。
地震から2ヵ月を迎えようとしておりますが、遠い日の出来事のような、それでいてそこここに残る地震の爪痕に熊本の経済的な打撃が日を追ってでてきていることも事実です。
「まだ私はいいほうです」と、多くの人々は、自身の大変さを押し殺しながら生活しております。決していいことではないのですが、そう考えることで生きていこうとしております。
新聞テレビなどの報道でご承知のような惨状に加え、非常に多い回数の余震が続いております。やっとその余震も弱くなりつつあります。けれども、余震が怖くて風呂にゆっくり入る気にもなれず、トイレもドアを開けて使用するなど、なかなか恐怖心は払拭できないで暮らしていることも事実です。
一見平穏な日常生活を送りつつあるとはいえ、道路や橋が通行止めの個所もあり渋滞が慢性的になっています。私の住む西区は余震が多いのですが、道路もすでに再補修するなど地下では不気味な変化が起きていると思われます。
事務長様とお話させていただきましたように、二度の地震の起きた時間が火災の起きにくい時間帯であったこと、また人々が活動する時間帯でなかったことが人災を少なくしたのではと考えます。当相談室に母子がいたらと思うとぞっとします。
私事ながらあれほどの強い地震の中にあっても家族にケガもなく、幸いに相談室の建物や内部も何の支障もなく使用できております。自宅マンションはガスこそ復旧に2週間程度かかりましたが、大した被害もなく暮らし続けられております。
来室する母子の半数近くが、地震後広域避難遠くは札幌や関東関西になります。今、少しずつ熊本にお帰りになっております。
お母さま方同志で地震の怖さを語りあうことで元気になられてもおります。
皆様からの支援物資に感謝され、励みとされていらっしゃると感じます。オムツのパッケージに励ましのメッセージがあるのもとても喜ばれておりました。
「まさか自分たちが被災者になるなんて」と、一様に話します。「今度こんなことが起きたら是非お礼がしたいと思っています」とも語られます。互いの無事を喜びあいながら、もらい風呂をするなど子を守るためにみんなたくましいと感じます。
ここ二三日、そんなお母さま方も今になって疲れたね~と話も出ます。私もそうしたお母さま方と共に少しゆっくり休んで、また元気に子育てやそれぞれの職務に励みたいと思います。
皆様方に大変お世話になっておりながら、ご報告が非常におそくなりまして申し訳ございません。
皆様に心より感謝厚くお礼申し上げます。
末筆になりましたが、鮫島先生はじめ皆様方のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
敬具
平成28年6月9日熊本母と子の相談室 下園和子